関東甲信越静ブロックNIEアドバイザー・NIE推進協議会事務局長会議報告

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 関東甲信越静ブロックNIEアドバイザー・NIE推進協議会事務局長会議が6月3日(土)、新聞協会大会議室で開催されました。開会のあいさつでは、新聞協会新聞教育文化部の服部朋子NIE担当主管が、NIEの裾野の広がりに向けて交流を深めていくことの大切さを指摘。第5次「学校図書館図書整備等5か年計画」を踏まえ、「主権者教育に向けて、学校図書館に新聞を複数紙配備することが重要」と述べました。

<学校教育における一層の新聞活用に向けて>

 次に、新聞協会の関口修司NIEコーディネーターから「学校教育における一層の新聞活用に向けて」と題して基調提言がありました。冒頭、「NIEは、いいものだと分かっているのになぜ広がらないのか」との問題提起がありました。その上で「ひと工夫することがよい授業になり、子供たちの力につながる」とNIEの意義について説明がありました。

 育成する「学力」観が変化する中で、今後は知識を社会で活用する力を育むことが大切であること、そのためには新学習指導要領が求める主体的・対話的で深い学び(アクティブラーニング)の実現に向けた取り組みが必要であり、そこに新聞活用の可能性があると示唆されました。また、情報化社会を生き抜く力(読解力・情報活用能力など)は、国語科のみならず生活の中で身につけていくこと、日常的に新聞を読むことを通して新たなことを学ぶ必要性を強調されました。さらに学校図書館における新聞活用が学習指導要領に明記されたが、新聞を基にどのように調べ学習を進めていくかとなると、かなり大きなハードルがあると指摘。学校司書の活用、現場の先生方のアイデアへの期待を述べられました。

<主体的・対話的で深い学びの実現にNIEが資する役割>

 続いて、「新聞を活用した『主体的・対話的で深い学び』の実現に向けて」というテーマのもと、五つのグループに分かれてディスカッションを行いました。ここでは、アクティブラーニングが目指すものは何か、そこで新聞はどのように活用できるのかを議論し、「主体的・対話的で深い学び」の実現にNIEが資する役割について意見交換しました。ディスカッションの後、各グループの発表者から議論結果を報告しました。

 報告の中で、アクティブラーニングは小・中学校で既に行われていることを踏まえて、知識を社会で活用する力につなげることを意識した学びが大切であることや、NIEは教室と社会を結ぶ手立てになり、新聞を通して子供たちと現実の社会とのつながりを気づかせることが可能になることを確認しました。また、NIEを進める上で教員間に温度差があるので、管理職の理解が重要であることなどが挙げられました。さらにNIEを広げるためには、新聞をどう活用するのかというノウハウや有効感がないと広がらないという指摘がありました。そのためにも、道徳の教科化が突破口になるのではないかという意見もありました。子供の学びを社会と切り離して考えず、なぜ新聞を使うのかを理解させた上で、アクティブラーニングが目指す、自ら課題を見つけて解決し、自己実現する力を身につけさせることなど、NIEの役割の高まりが感じられる報告となりました。

<各地の取り組みを紹介>

 各都県の推進協議会事務局長とアドバイザーから活動報告では、それぞれの活動状況や成果、今後の課題等について報告がありました。

 茨城県は、実践指定校へNIEアドバイザーを派遣したり、茨城新聞社と連携して組織力を生かして研究会を充実させたりしていることを報告。群馬県は、県教育委員会の提供番組「みんなの時間」(群馬テレビ)でNIE実践の様子を取り上げ、県内の先生方にNIEを広げる活動を紹介しました。東京都からは、小中高校別の月1回の定例会で自分が選んだ記事を紹介する「今日の紙面から」(アイデア交流テキパキプレゼン)の取り組みが報告されました。さらに、参加者を増やすための時間設定や内容など、NIEの実践を広げる工夫について紹介がありました。神奈川県では、今年度「かながわ人づくり推進ネットワーク」に協議会として登録、NIEの各種情報を提供する取り組みが紹介されました。埼玉県は、教育委員会とともに「いっしょに読もう!新聞コンクール」の地域審査を行い、表彰式ではNIE実践発表を行い、児童生徒・保護者・先生方へNIEの啓蒙を図っている取り組みを報告。山梨県からは、口コミ紙の紹介とともに大学教育への働きかけの重要性が指摘され、教員養成課程の大学生に向けて啓発を行っていることが報告されました。千葉県は、学校と販売店の連携を図り、市川市の全ての学校図書館に新聞配置を実現したことを紹介。新潟県ではアドバイザーが大学の教員養成課程や初任者研修でNIEの実践紹介や研修・講座を担当し、指導する取り組みをしているとのことです。静岡県からは、実践指定校担当アドバイザー制度を立ち上げ、校種や担当を決めてメールでやり取りをしながら疑問点に対して助言する活動が紹介されました。長野県は、NIE学習シートを毎週配信する取り組みを紹介。栃木県からは、2019年度に開催されるNIE全国大会宇都宮大会に向けて、「とちぎのNIE」を発信したり「とちぎNIE実践セミナー」を行ったりするなど、広報活動や実践充実のための具体的な取り組みが紹介されました。

 最後に関口NIEコーディネーターより、本会議を通してのまとめが述べられ、

①教室と社会を結びつけるために新聞があること、ここでは、子供をどう動かすかが重要である。子供主体の活動は続くが、教師主導の活動は続かない、②若い先生方をターゲットにしてNIEを広げていくことが大切。組織の力を生かして活性化できるかがかぎになる。例えば、教科の研究授業の中で新聞を活用していくと広がるのではないか、③学校図書館をどう活用するかさらに考えていく必要がある。そのために、学校司書のみならず図書館ボランティアなどを巻き込んで進めていくこと―― などの提言がありました。

 各都県の活発な取り組みや優れた実践報告を聞き、お互いに刺激を受けるとともに、ディスカッションを通して考えを出し合い、積極的な意見交流ができ、とても有意義な会議となりました。

堀内 多恵(栃木県宇都宮市立豊郷中央小学校教諭/NIEアドバイザー)(6月14日)