九州ブロックNIEアドバイザー・NIE推進協議会事務局長会議報告

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 2017年5月20日(土)、鹿児島市の南日本新聞社5階会議室にて、九州ブロックNIEアドバイザー・NIE推進協議会事務局長会議が開催されました。当日は青空の広がる快晴で、同会議室からは目の前に雄大な桜島と錦江湾を眺望することができ、南国鹿児島の雰囲気に包まれながらの会議となりました。開会のあいさつでは、南日本新聞社の鈴木達三取締役が「新聞をもとに社会の事象を知り、自ら考え、人生を切り開くことが重要」であると、NIEの意義について述べました。

図書館への複数紙配置の推進を

 会議の冒頭、第5次「学校図書館図書整備等5か年計画」とNIEについて、新聞協会事務局から説明がありました。2017年度からの同計画で新聞配置の地財措置が30億円(単年度)に倍増され、高校へも初めて措置されたこと、そのねらいが主権者教育のための複数紙の読み比べにあることなどが報告されました。しかし、図書館への新聞配置が小中学校ではなかなか進んでいない状況があり、その背景として財源が地方交付税交付金であるため、きちんと新聞購入に当てられていない可能性があると指摘がありました。今後、首長・教育行政側への働きかけが重要であるとの認識を共有しました。

各地の活発な取り組みを紹介

 次に、各県の推進協議会の取り組みについて各事務局長から報告がありました。福岡県は、新聞協会主催の第7回「いっしょに読もう!新聞コンクール」で過去最多、全国でも最多の5,951編の応募があったことを報告。佐賀県は自主的な勉強会「県NIE研究会」が活発に活動しており、長崎県は教員による研究組織が発足したそうです。熊本県からは、協議会と教員組織「NIEネットワーク熊本」が連携して県内各地で活動している様子について、大分県からは全国大会の成功を今後につなげるために「大分県NIE実践研究会」で取り組みが行われている様子について、説明がありました。宮崎県は「NIEみやざき」の自主研究活動が活発だとのことです。鹿児島県は推進協議会の組織改編により、小中学校から高校大学まで幅広く連携がとれる仕組みがつくられたことを報告しました。沖縄県からは、行政との連携が一層強化され各種研修にNIEが取り上げられる機会が広がっているとの報告がありました。各地の報告を受けて、関口修司NIEコーディネーターが、他県との交流を推進することの大切さや、インターネットなどを活用した情報発信の一層の推進の必要性、授業と評価の一体化の重要性などを指摘しました。

「主体的、対話的で深い学び」をNIEで

 会議の後半では、関口NIEコーディネーターによる特別講演「新学習指導要領とNIE」がありました。小中学校の新学習指導要領の分析をもとに、今後のNIEの展望について説明がありました。新学習指導要領は「主体的、対話的で深い学び」を重視しており、NIEは言語能力、情報活用能力、問題発見・解決能力等、学習の基盤となる資質・能力の育成に貢献できると指摘。言語能力の育成や、多面的・多角的な思考・議論、主権者教育等が改善事項に挙げられていることに加え、子供たちへのスマートフォンの浸透や世界の政治のポピュリズム化を受けて、正確な情報の必要性がますます高まっている社会状況もあり、NIEでの学びの重要性は高まっているとしました。さらに、新学習指導要領の求める「主体的、対話的で深い学び」の学習過程はNIEと共通している部分が多いこと、NIEを通して確実に学力が向上することを数値的に証明できることなども紹介。最後に、校内での取り組みとして「NIEタイム」の高い効果について説明があり、その活動を家庭や地域に広げることの大切さを指摘しました。

 九州各県の活発な取り組みにお互いに刺激を受けたほか、講演を通して出席者の関心が高い新学習指導要領におけるNIEについて詳しく知ることができ、とても有意義な会議となりました。

池之上博秋(鹿児島県立鹿児島南高等学校教諭/NIEアドバイザー)(5月31日)