NIEで算数学習

NIEは学習内容と社会とをつなぐツール

 先日、NIE研修に参加すると、教員から「国語と社会、道徳では実践できるのですが、他の教科ではなかなか実践できません」という話を聞きました。その課題に関して私は、新聞を活用することで学習内容と社会をつなげる意識を持つようにすればよいのではと考えています。学習したことが社会でどう生きるのか、または、社会でどのように使われるのかを意識することで、児童は学習に興味を持つのではないかと思います。今回、4年生の算数で面積の学習をした実践を紹介します。

「a」「ha」って?

 4年の算数で面積の学習があります。面積の求め方や単位を学び、さまざまな図形の面積を求める学習です。その中で、「a」(アール)や「ha」(ヘクタール)という単位を学びますが、これらの単位は主に農地や牧場などの広さを表すときに使われるので、子供たちにあまりなじみがありません。そういう私自身も、学校以外でこの単位を使うことはほとんどありません。毎回、4年の担任になるときに、これらの単位について確認する程度でした。

 しかし、昨年は大地震や台風などで農地が被害を受け、作物が取れなくなっているというニュースがたくさん報じられました。その中で、「〇〇ha」という単位が多く使われていたので、やはり社会とのつながりを意識して、この単位を児童にしっかりと理解させなければならないと感じました。

体育館と校庭でイメージ!

 そこで、「a」と「ha」を理解するために、実際に教室を出て面積を測る学習を行いました。「a」を理解するために選んだのは体育館です。体育館は、児童が新体力テストで20mを往復する種目に取り組んでいるので、広さのイメージを持たせやすい場所でした。体育館の広さを測りながら、1aは体育館の半分ぐらいの広さであることが分かりました。

 次に、「ha」を理解するために、校庭の面積を測りました。校庭では、体力テストの50m走やトラックで200m走を行っているので、イメージがわきやすいと考えました。面積を測ってみると、1haは校庭と同じぐらいの面積であることが分かりました。

 このように理解しておくと、もし「1haは何㎡か?」と聞かれたときも、「校庭の面積と同じだから、100m×100mである」と分かります。子供たちは、実際に測定してみることで、面積に関するイメージをしっかりと持てたようです。

NIEで社会とのつながりを

 算数で面積の求め方を学習した後には、新聞記事を用いて、実際にどのようなところで「a」や「ha」が使われているかを確認しました。活用したのは、熊本地震で農地に被害が出たという記事と、北海道を襲った大型台風のために作物が取れなくなったことを取材した記事です。

 記事には、「〇〇haの作物が取れなくなってしまった」という情報が載っています。子供たちは、1haが校庭ぐらいの広さであることを知っているので、具体的にどのくらいの農地が被害を受けたのかということをしっかりとイメージをすることができました。 

 きっと児童はこれからも、「a」や「ha」が出てくるたびに、その広さを想像するだろうと思います。学習する内容について、実感を伴った理解をすることや、社会とつながる学びにしていくことの大切さをあらためて感じました。

菊池 健一(さいたま市立海老沼小学校教諭/NIEアドバイザー)(1月26日)