病弱教育特別支援学校における新聞活用③(千葉県立四街道特別支援学校での取り組み)

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【スクラップファイルの作成】

 高等部2年生の帰りのホームルームで紹介する様子をICレコーダーで録音し、クラスメート同士で意見を交換し合った。その記事を教師がスクラップ台紙に貼りつけ、録音した内容から生徒の感想やそれに対する意見をまとめた。

 昨年度は「新聞の記事を選ぶこと」「新聞の記事を紹介し、感想を伝え合うこと」を主軸に取り組んだ。そのため、スクラップ記事は担当教師が作成することになったが、自分の記事が掲載されると、友人や教師に「これは私が選んだ記事です」と休み時間に紹介する姿も見られた。他クラスの友人や教師とも話をするよいきっかけとなっているようだった。

 【成果】

○教師へのアンケートより

 多くの教師が毎日新聞コーナーに立ち寄り、新聞を読んでいる様子が見られた。また、ときには生徒も一緒になって記事を読み、話し合う姿も多く見られた。授業でも英語、理科、社会、国語などの時間で定期的に新聞の記事を活用しているという結果が得られた。

 「新聞が身近にあるのでとてもいい」「いくつかの新聞を比べて読むことができるのがよい」等の意見もあった。

○生徒へのアンケートより

 アンケートに回答した16人の中で、NIEコーナーを設置してから「新聞を読む頻度が増えた」と答えた生徒は8人であった。身近に新聞が置かれたことで、自然と新聞を読む機会が増えたことがわかった。また、病弱教育特別支援学校ならではの視点か、医療的な記事に興味を持つ生徒が多かった。その中で、「将来医療が進めば、今は治らない病気も治るかもしれない。自分にとっても希望になるニュースなので、医療の記事はとても気になる」という意見が複数あった。この意見についてはクラスでも活発に意見を交わし合う様子が見られ、最新のニュースを毎日得られることの利点を感じていた。

 高等部の生徒のほとんどが通る場所にNIEコーナーを設置したことにより、自然とその場所に生徒が集まるようになった。それにより、多くの生徒が新聞を情報交換等のコミュニケーションツールにすることができたように思う。

 また、授業やホームルームの中で継続して新聞紹介やスクラップ記事の紹介を取り入れることで、新聞への興味や親しみを感じ、もっと友人と話し合いたいという意欲を高めることができたように思う。

○課題

 高等部棟にNIEコーナーを設置しているため、他学部(小・中学部)に活動が浸透していない。全校生徒が読みやすい位置にコーナーを設置したり、啓発活動を行ったりする必要がある。

 担当者が一人でNIEコーナーを運営していたため、月間、週間で紹介する記事に偏りが出てしまった。複数人で視野を広く持ちながら、生徒へ情報提供する必要がある。

 今年度は実践指定2年目となるため、もう少し活動の幅を広げてみたい。多くの担当者が関わることで、さらに多くの話題提供ができるようにしていきたい。

 

小関川洋美(千葉県立四街道特別支援学校教諭)(6月29日)