関東甲信越静ブロックNIEアドバイザー・NIE推進協議会事務局長会議報告 VOL.2

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 前回に引き続き、6月6日に開催した標記会合の当日の模様をご紹介します。今回は「アクティブ・ラーニングをどうNIEに取り入れるのか」をテーマにしたディスカッションに参加した芳賀智一アドバイザー(日光市立日光小学校教諭)にご寄稿いただきました(事務局)。

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  今回の会議でも、日本新聞協会企画開発部長兼新聞教育文化部長の尾高泉さんの歯切れのよい冒頭のあいさつが良かった。昨年のNIE全国大会徳島大会での記念講演で苅谷剛彦先生からのメッセージ「民主主義社会の良き担い手を育てる」を引用してのものだった。自分の国のことを自分で考え判断、行動していくことの大切さと責任感を、もっと子供たちに伝えていかなければならないと、社会科を専門とする私は、大いに反省させられた言葉であった。この1年あのメッセージを忘れたことはないが、改めて伝えられると身の引き締まる思いがした。

 会議では、四つのテーマごとにグループに分かれての意見交換と全体での報告、そして吉成勝好新聞協会NIEコーディネーターからのまとめという流れで進められた。

 四つのテーマは、①「NIEのカリキュラム化(年間指導計画への位置づけ)」、②「『いっしょに読もう!新聞コンクール』など、各種コンクールとNIE」、③「ICTとNIEの融合:タブレットや電子黒板、学校向け電子媒体(データベースなども含め)の利用、現状と課題」、④「アクティブ・ラーニングをどうNIEに取り入れるか」であった。どれも今の学校やNIEにとってふさわしいテーマで各グループともに時間を過ぎても熱い意見交換が行われた。

 私が参加した「アクティブ・ラーニングをどうNIEに取り入れるか」でも、理論や方法論のみではなく、先進校の事例紹介も行われた。いま注目のアクティブ・ラーニングについて学びたいという参加者と、すでにNIEでの実践を進めている参加者がいたが、静岡県のアドバイザー矢澤和宏先生の的確な進行のおかげで、話し合いの論点が「アクティブ・ラーニングについて」と「NIEでの実践」に整理されながら話し合いが進められた。以下はその概略である。

 

<アクティブ・ラーニングについて>

・アクティブ・ラーニングのキーワードは、「体験」、「協働的な学び」、「言語活動」、「思考」、「学び方を学ぶ」

今までの教師による講義形式の授業ではなく、子供たちが一人でもペアでもグループでも、自分で考えたり相談したり、工夫したりしながら学  習していく。

・主体的・能動的・協働的・創造的な学習が行われる授業への教師の発想の転換

自分に与えられた課題について主体的に学習し、それをグループの中で説明し合い、グループ内で学習内容の全体像を創造していくジグソー学習の活用。話し合いのための表現力を、ペアトーク・グループトーク・傾聴活動を取り入れることで養う活動。そういうことに教師の意識を向けることが必要。

<NIEの導入>

・学習課題としての活用

主体的に学習するための「問い」を新聞から提供したり見つけさせたりする。具体的には、ペアトーク・グループトークの材料にする、社説などから論点を自分たちで見つけさせ、自分の考えを述べあいグループで提案としてまとめる、などが考えられる。

・学習教材としての活用

学習活動の中で、資料となったり、根拠となったりする記事などのスクラップを行う。具体的には、環境問題などのテーマにあった記事などを集め、学習に活用する。などが考えられる。「頭の中が活性化するようなアクティブ・ラーニング」という名言も飛び出し、充実したグループでの話し合いができた。

他のグループの内容と吉成コーディネーターのまとめは、次のとおりである。

①「NIEのカリキュラム化(年間指導計画への位置づけ)」

 NIEを進めて30年が過ぎ、実践は出尽くした感があり、これからはカリキュラム化をすることで、より多くの人に伝えることができる。

②「『いっしょに読もう!新聞コンクール』など、各種コンクールとNIE」

  「いっしょに読もう!新聞コンクール」は、参加者にとってはハードルが高い企画のようであるが、とても大切なことなので、広めていきたい。

③「ICTとNIEの融合:タブレットや電子黒板、学校向け電子媒体(データベースなども含め)の利用、現状と課題」

 大がかりな実践が紹介されてきたが、どこでも、だれでも、できるような小さな実践例を紹介しあって、実践者を増やしていきたい。

 限られた時間の中で、とても有意義な会議が持てたと感じている。個人的には、その日の午後の「第8回関東甲信越静ブロックセミナー」での近藤勝重氏(毎日新聞社客員編集委員)の講演「書く子は育つ」も忘れられない内容であった。とても充実した一日であった。こういう時間を多くの先生方と共有したいとも感じた。

芳賀 智一(日光市立日光小学校教諭/NIEアドバイザー)(8月15日)