PISA型読解力とNIE③

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 前回、OECDのPISA調査で測定されている「PISA型読解力」の要素として挙げられている「情報へのアクセス・取り出し」の力を育てるためのNIEについて提案いたしました。今回は二つ目の「解釈・統合」の力を育てるための実践を紹介したいと思います。

 

1.「解釈・統合」

 PISA型読解力を構成する要素として「解釈・統合」の力が挙げられています。資料からどんなことが読み取れるかを考えたり、複数の資料を複合的に読み取ったりする力が求められます。また、本文に書いてあることについて、「何が書いてあるのか」「なぜ筆者はそのような書き方をしたのか」ということを考える力も求められます。そして、考えを表現する際には必ず本文の記述をもとにすることが必要となります。

 新聞には、見出し・リード文・本文という記事の他に、図表や写真・イラストなどが複合的に掲載されています。複数の資料を統合的に読み取るには最適の教材であると考えます。また、記事の書き方もいわゆる「逆三角形」の形をとっており、文章の要旨を捉えるのに適しています。「解釈・統合」の力も新聞を活用して高められると考えています。

 

2.記者の思いを想像する活動

 「解釈・統合」の力を高める方法として勧めたいのが、記事を執筆した記者の思いを想像させる活動です。記事を読んで、記事を書いた記者が読者にどんなことを伝えたいのかということを具体的に考えることによって、記事の内容を詳しく解釈することができると考えます。その活動の際に重要なことは、必ず記事の内容や書き方などを根拠にして表現することです。単に、印象で「記者は〇〇ということが伝えたいのだと思う」と書くのではなく、「記事に〇〇と書いてあるから」あるいは「記事が〇〇な書き方になっているから」というように、根拠を示しながら考えを述べることが大切になってくると考えています。

 

3.児童の反応

 児童に、広島県の土砂災害で被害を受けた地域の様子やその地域の小学生を取材した記事を読ませ、記事を書いた記者の思いを想像させる活動を行いました。

 「記事に小学生の写真が使われているから、記者さんはきっと同じ小学生なのに大変な思いをしている子がいることを伝えたかったんだと思う」

 「被害を受けたところの写真がたくさん使われているから、記者さんは被害の様子について詳しく伝えたいんだと思う」

 このような活動を繰り返していくことで、社会への関心も高まり、自然と読解力が伸びてくると考えています。

 

(つづく)

菊池健一(さいたま市立東宮下小学校教諭/NIEアドバイザー)(10月15日)