PISA型読解力とNIE②

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 前回、OECDのPISA調査で測定されている「PISA型読解力」がNIEによって大きく向上させられるという考えを述べました。今回からその具体例を示しながら、読解力の向上について考えてみたいと思います。

 

1.「情報へのアクセス・取り出し」

 PISA型読解力を構成する要素として「情報へのアクセス・取り出し」が挙げられています。これまでも国語教育を中心に情報を取り出す学習は行われてきましたが、児童生徒が進んで情報にアクセスするという視点がなかなか持てなかったのではないかと感じます。数年前に出題された中学校の学力学習状況調査の問題で、新聞記事に「今日のちょうど1年前」という記述があり、その日付を答えさせる問題が出題されたことがありました。新聞なので必ずその日の日付があります。日付をチェックし、その1年前の日付を答えればよいのですが、それができた生徒が4割ぐらいだったことを聞き、普段から新聞を読む習慣をつける必要性を感じたところでした。新聞には、見出し・リード文・本文、そして様々な写真や図表があります。そこに主体的にアクセスをして必要な情報を得る力を新聞で高めていくことができると考えています。

 

2.記事の「見出し」を考える活動

 「情報へのアクセス・取り出し」の力を高める方法として勧めたいのが、記事の「見出し」を考える活動です。「見出し」は記事の究極の要約と言われます。記事のエッセンスやキーワードがそこに凝縮されています。記事を読んだり写真や図表を見て、自分なりの見出しをつけたりすることで、きちんと必要な情報を得る力を高めることができます。 具体的には、児童に見出しの部分だけ隠した記事を配布します。その後、児童に記事を読ませ(難しい場合には教師が読み聞かせをしたり、解説をしたりします)、記事の中で大切だと思うキーワードなどに印をつけるようにさせます。そして、そのキーワードを使って自分なりの見出しをつける活動を行うようにします。見出しをつけたら、友達と発表し合ったり、教室に見出しを掲示したりするのもよいと思います。

 

3.児童の反応

 児童が読んだ記事の本当の見出し(新聞記事につけられていたもの)を発表すると、児童は、「やっぱり新聞の見出しは上手に付けてあるな」「でも、僕のもいいよ」と、思い思いに感想を語り合います。このような活動を繰り返していくことで、新聞への関心も自然と高まってくると考えています。

 

(つづく)

菊池健一(さいたま市立東宮下小学校教諭/NIEアドバイザー)(9月30日)