関東甲信越静ブロックNIEアドバイザー・事務局長会議報告

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 会議では、NIEのすそ野を広げるために、「NIEの日常化をどう進めるか」をテーマに5グループに分かれて討議と情報交換を行った。

 「NIEの日常化」のためには、子どもたちが毎日、新聞にふれる機会を持ち、新聞で学ぶ習慣をつくるための環境整備が重要である。そのために、図書館や教室に新聞を置くスペースを設けたり、掲示コーナーをつくったり、新聞を購読していない家庭の子どものために学校で古新聞を取り置くなど、できるだけ子どもの近くに新聞があり、すぐに手にとることができる環境づくりに努力している。

 また、朝のNIEタイムなど、授業以外の時間を有効に活用して、新聞に親しみ、新聞から学ぶ機会を積極的に創り出す必要がある。すでに、記事を利用したクイズやスピーチ、記事やスクラップの回し読みなど、さまざまなNIEタイムの実践が工夫されている。

 しかし、まだNIEへの関心が少ない教員や学校があるという実態もある。この実態、つまり「関心が少なく、実践に結びつかない教員(学校)」と「NIEに関心を持ち、実践を深める教員(学校)」との差があることは「NIEの日常化」にとって大きな課題となっている。そこで、この課題解決に向けての討議内容を3つの視点に整理して紹介する。

  • NIEアドバイザーにおける今後の努力

 アドバイザーの育成を含めて、恒常的な研究会の開催、アドバイザーが実践校に出向いての直接指導、家庭NIE・地域NIEのモデル提示などに努力していく必要がある。

  • NIEを実践する組織体制・システム

 組織体制・システムを整えていくことは、環境整備の別の側面として重要な視点である。学校では、NIE担当の分掌を置き、NIEを教育課程へ位置づけること。教育委員会では、NIE担当指導主事を置き、設置都道府県・各地区の研修会にNIEを位置づけること、などが挙げられる。そのためにも、校長や教育長など、組織トップのNIEへの理解は不可欠で、組織や地域全体におけるNIEの予算化や実践に直結する。

 また、同じ学校種間の横の連携・情報交流などでNIEを広めるだけでなく、同一地域内の小学校・中学校・高校などにおける縦の連携で子どもたちの発達段階に応じたNIEを実践していく体制も今後、工夫すべき視点である。

  • NIEの成果・効果の周知

 NIEの実践を検証し、その成果や効果を楽しさ・おもしろさも含めて発信し、周知を図ることがNIEへの関心を高め、「日常化」につながる。成果や効果の発信はNIEの実績を紹介したり、子どもたち自身がNIEの成果を示したりしていくことでも可能であり、それを新聞紙面で示すことも有効であろう。成果や効果と同時に、新聞離れがもたらす問題点についても冷静に提示していく必要もある。このような取り組みはNIEが学習指導要領に取り上げられた理由を再確認することにもつながる。

アドバイザーを始め、多くの実践者が「NIEの日常化」に努め、実践者のすそ野が富士のすそ野のように大きく広がっていくことを心から願っている。

NIEアドバイザー/島田市立川根中学校 校長  矢澤和宏(6月4日)