実践指定校実践例 2013年度

小樽を幸せにする提言をしよう(学びをひろげる資料活用の指導)

小樽市立銭函中学校(おたるしりつぜにばこちゅうがっこう)

教科、科目、領域

中学校: 公民
学年 中学 3年
地域の政治に関わる市民~個人個人の「幸せ」を大切にするために~
自分の考える「幸せ」を表現する。目的を持って新聞を継続的に読む習慣をつける。自ら「小樽の活性化プラン」を考え、仲間に伝える。
自らの考える「地域活性化プラン」の発想の源を日々発行されている新聞に求め、それぞれが考える「幸せ」がより多く実現できるようなプランを新聞に投稿させる。
新聞活用学習

(1)オリエンテーション~3つの課題とねらいについての指導~1時間
(2)作品制作 ①Happy news:日本新聞協会主催
        ②幸せフォト川柳:校内で交流
        ③地域活性化プラン:授業で練り上げ新聞読者欄に投稿                             ~夏休み中の個人学習
(3)作品の相互評価(①②について)と活性化プランの練り上げ&投稿 ~3時間


2学期の社会科(公民)の3時間

 2学期に配当した3時間は以下のとおり
(1)夏休み中に制作した①「Happy news」作品と②幸せフォト川柳作品と③地域活性化プランを交流し、①②についてはクラスで相互評価の時間を設けた。
 留意点:1学期に学習した「日本国憲法」のなかの第13条(幸福追求の権利)を意識させ、自分および仲間を個人として尊重する姿勢を大切に扱った。)
(2)③については、班内で交流した後、班内で協力して、より実現可能なプランに磨き上げ、クラスに班の代表プランを発表させた。
 留意点:仲間のアイディアを肯定的にとらえることができるように助言した。
(3)実際に新聞に投稿する内容にまで高めさせた。
 留意点:実社会につながる表現活動として、誠実に自らの意見を表明する意義と責任を意識させた。

 上記のとおりであるが、この経験が義務教育修了後のそれぞれにとって、社会に参画する自立した大人の表現活動の原点になるように意識させて課題に取り組ませた。

 目的を持って記事を探すことで、新聞を活用するスキルを身につけることができた。また、自分の考えを川柳、地域活性化プラン、HappyNews応募作品という3つのタイプの異なる言語活動へと展開させたため、飽きずに楽しみながら表現できていた。また、交流の中で、自分とは違う価値観や気付かなかった考え方に触れることができ、生徒一人一人にとって有意義な活動となったようである。

 新聞を読む習慣があまりなかった生徒たちが、実際に新聞を手にとるようになった。欲しい情報を得る手段として、新聞を活用する方法が認知されるようになった。
また、それらの情報をもとに、自らの作品を作り上げていく過程で自分の感じる「幸せ」の概念に正対することができた。また、地域活性化プランを考え、練り上げる中で国民一人一人の幸福追求のためには。「行政」の果たす役割が大きいということに気付くことができた。義務教育を終え実社会に出た時に、社会の一員として能動的に社会に参画することのできる、「公民」となれるよう卒業まであらゆる機会を使って働きかけていきたい。

実践者名:小樽市立銭函中学校 高橋恒雄