実践指定校実践例 2012年度

震災時の政治の働きを新聞で調べる

仙台市立東宮城野小学校(せんだいしりつひがしみやぎのしょうがっこう)

教科、科目、領域

小学校: 社会
学年 小学 6年
わたしたちの願いを実現する政治ー災害から人々を守るー
震災時の新聞報道から,国や地方公共団体の働きに関心を持ち,国民生活には政治の働きが反映し,大切な役割を果たしていることを理解させる。
震災時の新聞記事から,国や地方公共団体の働きに関するものをピックアップし,児童1人に1つずつの記事を与え,だれがどのような働きをしていたかを読み取らせる。
新聞活用学習

1,東日本大震災発生時の状況を新聞報道で振り返る。(1)
2,震災復旧に向けての取組を当時の新聞で調べ,国や地方公共団体がかかわっていることを理解する。(2)
3,国会,内閣,裁判所の働き,選挙の大切さを理解する。(1)
4,復旧,復興に税金が使われていることを知り,税金の集め方や使われ方について調べる。(1)
5,震災復旧・復興に関する提案書を作る。(3)

第2時

1.復旧の様子の写真を見て,本時のめあてに関心を持つ。
2.本時のめあてを知る。
 「復旧に向けてがれがどのような活動をしたのだろう」
3.新聞記事から,市や国の復旧に関する取組を調べる。
・「警察」「消防署」「自衛隊」「市役所」「電力・水道・ガス」の5グループに分かれてそれぞれの記事を読み取る。
・だれが中心となってどのような活動をしたのかを調べ,短冊に書く。
4.グループごとに読み取ったことを発表し合い,多くの復旧活動に国や地方公共団体がかかわっていることに気付く。
5.自衛隊の災害派遣の仕組みを図にした資料をもとに,自衛隊の動きにも国や地方公共団体がかかわっていることを理解する。
6.次時の見通しを持つ。
・自衛隊以外の復旧活動についても,各機関の関係図を作っていくことを伝える。

・新聞記事は,教師がデータベースを活用し,1人に1つの記事が行き渡るように予め選んでおく。
・ルビ,重要な部分のマーキングなどの加工をし,どの児童も読み取れるように配慮する。
・単元を貫く言語活動として,学習のまとめに震災復旧・復興に関する提案書作りをさせる。これにより,学習への意欲を高めるとともに,政治が自分たちにとって身近なものであることを実感させる。

・一人一人に資料を与えたことで,より多くの情報が得られた。また,個々の課題がはっきりし,主体的に取り組む姿が見られた。
・課題を「だれが,どんな活動を~」にしぼったことで,児童は意欲を持って記事を読む活動に取り組むことができた。
・記事の細部にこだわらず,大切なところだけを読むことができていた。(新聞への慣れ,絞り込まれた発問によるものか)

○新聞の教材化は難しいが,課題の絞り込みや記事の加工などの工夫により,授業でうまく生かせるようになることが分かった。
○児童が記事の読取りに集中するためには,写真のある記事を選ぶこと,ルビを振ること,大切な部分を線で囲むなどの工夫があることが効果的であることが分かった。
○身近な体験である震災を新聞等で調べることは,「政治」の働きに気付くことに効果的であることが分かった。
○案書作りを「単元を貫く言語活動」として設定することで,政治に関心を持たせ,政治を身近なものとしてとらえられるようになるということが分かった。
●自分たちで資料(記事)を探す活動も取り入れるように学習過程を工夫していきたい。
●グループ内での話合いを活性化する手立てを更に工夫していきたい。

実践者名:仙台市立東宮城野小学校 薗部奈緒美