実践指定校実践例 2012年度

新聞を活用して国語力を高める指導

一宮市立木曽川東小学校(いちのみやしりつきそがわひがししょうがっこう)

教科、科目、領域

小学校: 国語 、総合学習 、特別活動
学年 小学 6年
「学級討論会をしよう」,「平和について考える」
新聞を活用して子どもたちの学力を高めることが目的であるととらえ,特に私は国語力を高めたいと考える。
必要な内容だけを選択し,活用していくこと。
新聞制作学習 新聞活用学習

※事前に平和を扱った記事を集めさせる。
1時 1 教科書「平和のとりでを築く」を読み,感想を交流する。
2時 2 意見文の書き方を理解する。 3 資料の集め方を理解する。
3~5時 4 集めた記事を分類・整理する。
6~12時 5 新聞の資料をもとに,意見文を書く。
13~14時 6 意見文をもとにスピーチを行う。 (1)資料を準備する。(2)スピーチ発表会を行う。

第1~14時

単元「平和について考える」においては,子どもたちに,新聞から得た情報から,平和についての意見文をまとめさせた。この単元は9月に扱った。事前に7,8月に平和について扱った記事が多いことから夏休み中に記事を集めさせた。インターネットを扱うことも考えたが,情報が多岐にわたっていることと,インターネットより新聞の方が内容としても詳しく資料として最適と考え,扱わせた。授業の初めには「意見文の書き方」を与え,書き方を理解させた。さらに内容の濃い文章を書かせたいと考え,「意見文を書こう(文章の構成の仕方)」を配布し,意見文を書かせた。         
 平和について考えたことを意見文にする際に,文章の構成の仕方として新聞から記事を集めさせた。新聞の記事を引用し,自分の考えと区別することを意識して書かせた。また,異なる考えや反論を取りあげ,それに対する自分の考えも入れると,説得力が増すことを意識させ,意見文をまとめさせた。書いた意見文をもとにスピーチをさせた。また引用した新聞記事も資料として画用紙にはり,スピーチに使わせた。

・資料「意見文の書き方」を与え,書き方を理解させる。
・平和について考えたことを意見文にする際に,資料として新聞から記事を集めさせる。
例:戦争記事,いじめ問題など
・意見文を述べる文章の構成例を提示し,参考にさせる。
・参考にしたり,引用したりした新聞記事を集めさせ,資料として活用させる。
・事実と意見を区別させたり,引用部分を明確にさせたりしながら,スピーチをさせる。


 1学期から継続していることもあり,このころには教室にある新聞を自ら資料として扱い,調べる子が増えてきた。テーマを自分たちで選び,それに関連する記事を多く集めることができた。また分類・整理を上手に行うことができた。授業の効率化を図るため,書き方の資料を与え,理解させ取り組ませた。それに従い,子どもたちは意見文を書くことができた。意見文をもとに,新聞記事を扱った資料を作成し発表することができた。

 国語でのNIEの取り組みでは,1・2学期の活動を通して,自分に必要でよりよいと思われる記事を選べるようになってきた。毎週の新聞スクラップノート作りの効果も あるが,文章力が高まりつつある。新聞への興味,語彙力・文章力の高まりを感じている。また,書くという活動を通して,自分の課題に対して多角的に物事を見たり,根拠 をもって説明したりできる子も増えてきたと感じている。
 継続して取り組むことが大切である。低学年からとは思わないが,4年生より取り組み,段階を経てやっていくことことが課題であると考えている。
  

実践者名:一宮市立木曽川東小学校 松本歳範 本田浩之 木全美月