実践指定校実践例 2012年度

伝わる文章の書き方 -新聞文章に学ぶ-

東京都立小笠原高等学校(とうきょうとりつおがさわらこうとうがっこう)

教科、科目、領域

高校(高等専門学校を含む): 国語
学年 高校(高等専門学校を含む) 1年
表現の実践 わかりやすく表現する
新聞における表現の特徴を理解し、小論文の作成に活用する
実際の新聞記事における表現方法について記者が解説する
新聞活用学習 新聞機能学習

1 新聞記事における表現の特徴を理解し、要約したり見出しを付けたりする。

第1時

(1)新聞社の主な機構について理解する。
  ※講師である新聞記者の説明を聴く。
(2)新聞原稿の基本を理解する。
  ※実際の新聞記事を用いて以下のルールを確認する。
   1主述の距離を短くする。
   2「~たり、~たり」の使い方。
   3修飾語は直前にもってくる。
   4漢語を多用しない。
   5慣用句は状況により使い分ける。など。
(3)5W1Hを意識して短文を作成する。
(4)新聞記事を要約したり見出しを考えたりする。
  ※要約は150字程度の新聞記事を30字程度でまとめる。
(5)日ごろからできる訓練について学習する。
  1新聞をよく読む。
  2新聞記事の要約をする。
  3記事に見出しをつける。

要約に用いる記事は、その場で2~3分でまとめられる程度の分量や話題のものを選ぶ。

4月中旬に実施したこともあり、生徒は緊張感を持ちながら、熱心に講師の話に耳を傾け積極的に作業に取り組んでいた。要約や見出し付けについては、積極的に発表する姿も見られた。また、5W1Hに基づく短文作成では、周囲を確認しながら、どのような構成にするか考えていた。

将来的な小論文指導も見据えた実践であった。新聞記事における文章作成の注意点は、日ごろの小論文指導と重なる部分も多く、文章作成の基本について早い段階で、しかも文章作成のプロフェッショナルから伝えられたことが大きな成果であった。一方で、1年生の段階では、小論文を書く機会はそれほど多くないため、今回学んだことをいかに定着させるかが今後の課題である。新聞記事の要約や作文の指導などを授業などで定期的に実践していく必要がある。

実践者名:東京都立小笠原高等学校 石沢 一元