実践指定校実践例 2012年度

入門期における新聞を活用した漢字学習の実践

宇都宮市立細谷小学校(うつのみやしりつ ほそやしょうがっこう)

教科、科目、領域

小学校: 国語
学年 小学 1年
「かんじのはなし」(東京書籍)
漢字という文字そのものに興味・関心を持たせ,漢字で表記することの便利さを実感させるとともに,正しい漢字の使い方を学び,進んで漢字を使おうとする姿勢を育成する。
1クラス分,全児童同一の新聞を用意する。低学年でも活用できるように,ルビ付き別刷りNIE特集(サプリメント)を使用する。
新聞活用学習

総指導時数6時間
(1)教科書教材「かんじのはなし」を読んで,内容の大体をつかむ。1時間
(2)まとまりごとに読み,漢字の練習をする。3時間
(3)習った漢字を使って文を作り,漢字に慣れる。1時間
(4)漢字クイズや漢字ゲームを通して楽しみながら文章作りをし,漢字の正しい使い方に慣れるようにする。1時間

第6時

(1)新聞記事の中から既習漢字を探し,発表することができる。
・ICTを活用し,既習漢字の読みと成り立ちを確認する。
・クイズ形式で既習漢字を出題し,漢字への関心を高める。
・新聞を活用し,記事の中から既習漢字(漢数字,山,木,川,口,目,上,下)を見つける。
(2)学習課題をつかむことができる。
「かんじビンゴにちょうせん! ~ならったかんじをつかってぶんをつくろう~」
・本教材で学習すた七文字の漢字と漢数字を使ってビンゴの読み札を作ることを知らせる。
(3)かんじビンゴカードを書くことができる。
・二つの漢字を使った文,三つの漢字を使った文など,難易度を上げて文を作らせる。
・児童一人一人が漢字に関心を持ち,課題に対して意欲的に取り組めるようにする。
(4)かんじビンゴで遊ぶことができる。
・かんじビンゴのマスに好きな既習漢字を書いて準備をする。
・マジックボックスから漢字カードを一枚取り出し,読み上げる。
(5)本時の学習を振り返ることができる。
・発表する時は,励ましたり,手伝ったりして自信を持って発表できるようにする。
・今後の漢字学習への意欲を喚起する。

・入門期の一年生を対象に,新聞に親しむ手立ての一つとして行った。また,漢字に興味を持たせるために,新聞を活用して新聞記事の中から既習漢字を探す活動を取り入れた。
・ルビ付きのNIE特集を使用して児童自身の力で,どんどん新聞を読み進めながら,既習漢字に赤鉛筆で丸を付けていく活動を行った。全員に同じ新聞を与えたことで,全体で容易に確認することができた。

・既習漢字は17字しかないが,新聞には多くの漢字が使用されていることや,読める漢字がたくさんあること,カタカナ表記,漢字表記,写真の効果や便利さに目を向けることができた。
・漢字学習の入門期にあたる第一学年の児童にとって,新聞を活用して漢字探しの活動を取り入れたことで,漢字に興味を持ち,学習意欲の増進を図ることができた。

成果:(1)児童が新聞に慣れ親しむ環境づくりをすることができた。
(2)低学年を中心にして新聞を活用した授業実践及び教材開発を行うことができた。(1年生「カタカナさがし」「かんじさがし」「すうじさがし」「きってきってナンバー1」「なん人のれるかな」「のの字さがし」「かるたづくり」「ハッピーニュースコンクール」等)
(3)言語環境づくりを年間を通じて継続的に行ったり,NIEの授業を積極的に進めたりすることで,児童が言葉に対して敏感になっていく様子が感じられた。未知の言葉に出会ったり,世界の国のことを知ったり,目を輝かせて新聞に向かっている。
課題:今後も様々な教育活動や各教科・領域の言語活動と関連させながら,各学年の発達段階を踏まえた,系統的な指導法について研究を深化させていきたい。

実践者名:宇都宮市立細谷小学校 堀内 多恵