実践指定校実践例 2012年度

「いいことずくめ?検証LED」の新聞記事から考えよう

上越市立雄志中学校(じょうえつしりつゆうしちゅうがっこう)

教科、科目、領域

中学校: 理科
学年 中学 2年
電気の世界
LED電球の短所が記述された新聞記事や職業人の話から、安全、安心な日常生活を送るためには、電気に関する基礎的な知識や正しい知識をもつことの大切さに気づかせる。
・ LED電球と豆電球の電力(W)を求め、比較させ後、 LED電球の短所が記述された新聞記事を提示し、私たちが豊かで安心、安全な生活を送っていくためには、正しい知識や情報が欠かせないことを理解させる。
新聞活用学習

1電流の性質
(1)電流の利用(2時間)
(2)回路に流れる電流(2時間)
(3)回路に加わる電圧(2時間)
(4)電圧と電流の関係(4時間)
(5)電気とエネルギー(4時間)
2電流と磁界
(1)磁石のまわりの磁界(3時間)
(2)磁界の中で電流が受ける力(4時間)
(3)モーターを回したときに発生する電流(3時間)
(4)直流と交流(2時間)
3静電気と電流
(1)身近な静電気による現象(2時間)
(2)真空放電と陰極線(1時間)
(3)電流の正体(1時間)

第11時

□導入
○LED電球と豆電球を点灯させ、電球のの光り方の違いを実感する。
○LED電球の長所を理解する。

□展開1「LED電球と豆電球の電流と電圧から電力を求め、比較しよう」
○LED電球と豆電球を点灯させ、電流と電圧を測定し電力を求める。
○電球の進歩から科学技術の発展の重要性を理解する。

□展開2「いいことずくめ?検証LEDの新聞記事から考えよう」
○LED電球の課題や問題点を発表する。
○電気製品(科学技術)を利用しながら、安心、安全な生活を送るには何が大切かを考える。

□まとめ
○今日の学習と日常生活とのかかわりを考え、今日の授業の感想を書く。

 新聞記事から新たな知識や情報を提示することで、私たちが豊かで安心、安全な生活を送っていくためには、正しい知識や情報が欠かせないことや新聞などから情報を入手することの大切さを実感させたい。
 また、家電量販店の職業人の方からLED電球の現状や家電を取り扱う際の電気に関する基本的な知識の大切さを説明したいただき、今の学習が今後の日常生活に役立つことを理解させたい。

 生徒にとってLED電球は、欠点のない良いものだと思っていたが、新聞記事よりまだまだ欠点があることに驚いていた。本来の目的である安全、安心な日常生活を送るためには、電気に関する基礎的な知識や正しい知識をもつことの大切さに気づかせることができた。また、新聞などから情報を得るこの大切さも理解させることができた。

 成果としては、NIEを推進することで、社会と学校の学習とのかかわりをより一層強く考えるようになった。新聞は学習の大切さを生徒に理解させる生きた教材として、キャリア教育の推進に効果的であった。また、授業の指導過程に新聞教材を取り入れることで、授業の構想と新聞の活用のねらいを明確にすることができ、すべての教職員がキャリア教育の視点で授業のねらいをとらえることができた。
 今後の課題として、全教職員には新聞記事を個人のテーマでストックできるように、新聞スクラップ用のファイルを配布したが、全教職員が複数の新聞を毎日閲覧する時間の確保は難しい。どのように複数の新聞から情報を収集するか、その方法を工夫する必要がある。

実践者名:上越市立雄志中学校 田中 哲也