新聞文章の特徴

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新聞文章の特徴

新聞記事には六つの要素が含まれており、それを5W1Hと呼びます。いつ(WHEN)、どこで(WHERE)、だれが(WHO)、何を(WHAT)、なぜ(WHY)、どのように(HOW)――がそろっていれば、過不足のない記事といえます。

もうひとつの新聞記事の特徴は、「逆三角形」で作られていることです。一般の文章は「起承転結」といった具合に経緯をたどって結論を最後に書くことが多いのですが、新聞記事はまっ先に結論を書き、その後に説明を加えていきます。的確にニュースのポイントを読者に伝えることができるだけでなく、記事を短くする場合も後ろから削っていけば重要な結論を落とさずにすみます。

短い記事は別として、新聞記事には見出し、リード(前文)、本文があります。見出しは、記事の内容を一目で伝えるいわばタイトルです。記事を書いた記者ではなく、第一読者である整理記者がつけます。

「見出しがつかないのは記事が悪いから」といわれるのは、見出しは記事のエッセンスを言葉に凝縮するからです。思わずひざをたたくようなうまい見出しは、新聞の魅力のひとつでしょう。リードは本文を簡潔にまとめたもので、数行のなかに本文のエッセンスが込められています。

新聞の紙面構成例

新聞の用字用語

新聞で使われる用字用語は教科書と異なります。漢字について、教科書は地名や人名などの固有名詞を除き「常用漢字表」の2,136字しか使っていません。新聞も「常用漢字表」にない文字は使わないことを原則として、中学生でも読めるように、やさしい言葉づかいを心がけています。

新聞の場合、使えない漢字を含む言葉は次のように書き換えます。

  1. 常用漢字による「書き換え」(例:諒解→了解)
  2. 漢語全体の「仮名書き」(例:懺悔→ざんげ)
  3. 漢語の一部を仮名書きにする「交ぜ書き」(例:円錐形→円すい形)
  4. 別の言葉に置き換える「言い換え」(例:軋轢→摩擦、いざこざ、不和、あつれき)

常用漢字以外に新聞界独自の判断で使っている文字もありますが、数字にすぎません。

送り仮名は、教科書と新聞との間でうまく一致しています。外国の地名・人名や外来語の表記については、教科書が「ヴァ」(例:ヴァイオリン)を使うのに対し、新聞は従来通り「バ」(例:バイオリン)という違いがあります。

句点( 。)とカギ括弧(「 」)の使い方も異なります。教科書では、句点のマルを打ってからカギを閉じている(例:「おはようございます。」)のに、新聞はマルを使いません。

新聞を授業で使う際に、こうした用字用語の違いを理解したうえで、文章づくりに活用してください。