第1回いっしょに読もう! 新聞コンクール受賞作

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福井県立若狭高等学校 1年 小原 光軌也さん

意見を聞いた人:父

(1)この記事を選んだ理由を書いてください

 脳死――脳すべての機能が回復不可能な段階まで低下した状態のこと。今の法律では、この状態は死んでいるということになった。しかしまだその手にはぬくもりが残っている。まだ体は生きているのだ。その体を移植なんて心がすごく痛む。

(2)記事を読んで分かったこと、疑問に思ったこと、感じたことなどを書いてください

 臓器移植法が改正されてから、初めてのケースだった。記事によれば、男性は口頭で家族に提供意思を示していたという。僕はここが立派だなと思った。自分の死後について家族と話し合うことには正直僕には抵抗があるのだ。しかしいくら本人と話し合っていても本当にその時が来たら決断することは難しいと思う。だから決断できたこの家族に本当に称賛を送りたい。

(3)家族や友だち、クラスメートなどにも記事を読んでもらい、その人の意見を聞いて書いてください

 僕の家族にこの記事を読んでもらい、その後に少し話し合ってみた。その中で父の意見が印象に残っている。「もし、お前が脳死したとしても絶対に移植はしない。目を覚まさなくても、体は生きているんだ。臓器をとられるときは、痛いに決まっている。そんな思いを僕はしてほしくない。わが子にそんな思いをさせてうれしいと思う親なんてどこにもいないだろう」という意見だ。

(4)話し合い後のあなたの意見・感想・提言を書いてください

 「もし僕が脳死したならば僕の家族はいったいどのような決断をするのか」「もし僕の家族が脳死したならば僕はいったいどのような決断をするのか」。僕も僕の家族もこの答えを出すことができなかった。まだ、僕たちには脳死、移植などについての知識が足りなすぎる。これが正直な感想である。国は法を改正した今、そう移植という問題が国民と密接に結びつき始めた今、正しく豊富な知識を国民に与えなければいけないと思う。ここで重要なのが子どもにもしっかりと教えることだと思う。なぜなら子どもにも提供する意思を問うことになるのだから。自分の死後、家族の死後について家族と話し合うということに抵抗があったが、話し合ってよかったと今は思えている。