育もう 新聞のある学校図書館で

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学校図書館にあるはずの新聞が…ない!?

 公立小中高校の図書館の多くは、学習に必要な新聞が十分に配備されていません。

 文部科学省が実施した2016年度「学校図書館の現状に関する調査」によると、小中学校の実際の新聞配備率は4割程度となっています。配備されている新聞は、小学校が平均1.3紙、中学校は1.7紙にとどまりました。高校は約9割に新聞が配備されているとは言え、平均2.8紙。主権者教育に複数の新聞の読み比べが重要であることを考えると、まだ十分でないことが分かります。

 学校図書館は、読書をするだけの場所ではありません。調べ学習など子供たちの主体的な学びをサポートする場所であると同時に、多くの情報源から必要な資料を取捨選択し、活用することで情報活用能力を育む場所でもあります。そのような場所に、新聞は欠かせない資料です。

 学校図書館への新聞配備は十分ではありませんが、必要な措置が取られていないわけではありません。政府は、17年度から5年間実施する第5次「学校図書館図書整備等5か年計画」で、公立小中高校の学校図書館への新聞配備に向け、地方財政措置(地方交付税)を倍増しました。これまでの小中学校1校に1紙分を配備できる額が、小学校1紙分、中学校2紙分、高校4紙分に増えたのです。高校分の地財措置が講じられたのは、今回が初めてです。これは選挙権年齢が18歳以上に引き下げられ、主権者教育の充実に向け学校で新聞を活用する必要性が高まったことが背景にあります。

第5次「学校図書館図書整備等5か年計画」(17~21年度)の地方財政措置

上段:単年度予算額(第4次計画比)
下段(赤):5か年計画総額
新聞配備 小学校 約30億円
(15億円増)※1

約150億円
約10億円(増減なし)
約50億円
中学校 約10億円(5億円増)
約50億円
高等学校 約10億円(新規)
約50億円
図書整備 約220億円(20億円増)
約1,100億円
学校司書配置 約220億円(70億円増)※2
約1,100億円
約470億円(105億円増)
約2,350億円
※1 1校あたり小学校は1紙分、中学校は2紙分、高校は4紙分の新聞を配備することが可能な予算額
※2 小中学校1.5校に学校司書を1人程度配置可能な予算額

 それでは、学校図書館への新聞配備が十分でないのはなぜでしょうか。さまざまな理由が考えられますが、その一つに新聞を配備するための十分な予算が学校まで届いていない可能性があります。上記の地方財政措置は、どのように使うかは地方自治体に委ねられています。そのため、本来の目的に沿って予算化されず、十分に活用されていない現状があります。学校図書館への新聞配備を進めるためには、自治体の理解を進めることが大切なのです。

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